こんにちは、編集部の山本です。

今回は、私が編集を担当した『大学教授がマッチングアプリに挑戦してみたら、経営学から経済学、マーケティングまで学べた件について。』という書籍の紹介をします。(名前が長すぎる。)

この本の制作秘話的なお話をするよう仰せつかりましたので、ちょっとお話を。

ちなみに、幼少期の読書感想文が苦手すぎて「もう一度言おう」と書いて、全くおんなじ文章を連打して作文用紙を埋めていたような、長文を読むのも書くのもできない人間なので、内容はどうかご容赦ください。

さて早速ですがみなさん、マッチングアプリってどんなイメージですか?

私は今30代なんですが、どうも在りし日の「出会い系=サクラしかいないヤバイコンテンツ」という認識から脱却できておらず、いかがわしいイメージを抱いておりました。

とはいえ「現代の20〜30代の約3割がアプリを使用して出会いを求めている」なんていう、どこがソースなのか分からない情報も目にするので、最近はかなり市民権を得ている様子。

そこで試しに今「マッチングアプリ」と検索をかけてみました。

するとサジェストが、

「マッチングアプリ 危険性」
「マッチングアプリ 無料」
「マッチングアプリ キス 何回目」
「マッチングアプリ 付き合うまで 何回」

なんだこの湿度。違う…アプリの学びが深すぎるって話をしに来たんだ俺は。

沼らせる仕組みは婚活でもビジネスでも同じ

マッチングアプリ、やっぱりちょっと怖い…。

そんな偏見(というか真実)を持つ私が、なぜこんな本を製作する運びとなったのか。

それはとある知り合いがアプリの沼にハマっていたからでした。

知り合いの彼がある日こぼしていた、

「男は課金しないと、自分にイイネを送ってきている女性のプロフィールが見られないんだよ」

という言葉が天啓でした。

もしかしてだけど、この課金を促すシステム、行動経済学なのでは…!? よう知らんけど!

そこでアプリの話を詳しく聞いていると、
・自分を「商品」として売り出す「プロモーション能力」
・狙った相手に効率よく出会うための「マーケティング戦略」
・マッチした相手を食事に誘うための「行動経済学的アプローチ」

などなど、ビジネスの現場で習うような基礎的なノウハウが、数多くアプリに内包されていたのです。

これは本になるかもな…と思い、企画が始動したのでした。

120%ピッタリな著者の先生を見つけて

今回著者としてご執筆頂いたのが、東京都立大学で経営学の准教授をされている高橋勅徳(たかはし・みさのり ※なかなか変換できない)先生です。企画のピーキーさゆえに、いい著者さんなんて見つからないだろうな〜、と思っていた矢先に出会ったのがこの記事。

「女子大生の婚活」を通して見えた、マッチング・アプリの「致命的な問題点」#マネー現代(https://gendai.media/articles/-/94609

この記事では、高橋先生がマッチングアプリを用いて婚活に挑戦した際の、その独自の構造や力学を解説しています。

企画にピッタリ過ぎる! と思い、高橋先生へ愛を込めたイイネ(依頼文)を送り、めでたくマッチングに漕ぎ着けたのでした。

弊社の会議室で初めてお会いした際、おずおずとこの変な企画を説明する私に、高橋先生は一瞬で理解を示してくださり、こう仰いました。

「今日から書いてくので、月末に一回お見せしますね」

超多忙な大学教授というお仕事の傍ら、ちょっと引いちゃうレベルのスピードで書き上げられていく原稿を見ながら、こんなハイスペックな人でさえ苦戦するマッチングアプリって、割と意味がわからない世界だな、と思ったことを覚えています。

「キモさの壁」を超えろ

若干力尽き始めてるんですが、まだ1600字。ノルマは2000字。せっかくなので本の中の話でも。

この本は、大学教授が持ちうる学識を駆使して、マッチングアプリを「ビジネス教養的に分解する」「そして婚活を攻略」するという2つのテーマを有しています。

このテーマを掲げながら制作する際に、ぶつかった壁がありました。

それが

「…なんかちょっとキモい?」

というもの。なんだこの壁。

誤解なきように言うんですが、原稿などに問題があるわけではなく、僕の設定したコンセプトそのものが、ちょっとキモかったんですね。

つまり、女性との出会いや恋愛、心理などを構造的に解析して、攻略するというアプローチは、一方通行になればなるほど、

「…独りよがりでなんかちょっとキモくねー?」

が大きくなるんです。

下手すると女性読者(女性が読むのか知らんけど)から敬遠されてしまうかもしれない…という危機感から生まれたのが、本文を「ブログ形式」にするという手法でした。

この「ブログ形式」、何がよいかと言うと「本文の内容に対して、コメントが付けられる」という点です。要するに、著者(ブログの書き手)が唱える「アプリ・婚活戦略」に対して、ブログの読者(一般人)がツッコミを入れられるんです。

これがあることで、一方通行になりがちな理論に対して、

「いやそれは違うのでは…?」
「ゴチャゴチャ言ってないで痩せろ」
「高望みするから上手くいかねーんだよ」

みたいな正直な感想を差し込めるんですね、これがいい。
これがあるだけで「キモさの壁」を超えられた気がします。多分。

それが功を奏したのかはわかりませんが、社内の女性の社員さんたちからも面白かった、と言っていただけたので内心ホッとしています。

これまでの弊社のラインナップとはちょっと毛色が違う本ですが、なんか知らんけど面白そう(あとそれに1500円くらいを出させる価値がある)と思われるような、私っぽい本をこれからも作っていければいいなあと、ほんのりと思っています。

それでは。

 

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