クロスメディア・パブリッシング編集部の小山です。私が編集を担当した『いつまでも動ける。』について、書いていきます。
この書籍は、ダンス&ボーカルグループ、TRFのSAMさんが「なぜ60歳を超えて、こんなに動けるのか?」ということについて解説した本です。「ジェロントロジー(加齢学)」という学問と、自身のダンス経験の両側から、SAMさんの心と体の秘密について迫っています。
年をとる切なさと、非日常のワクワク感
私がSAMさんの本づくりに参加することが決まり、企画が進みだした頃のこと。
「年をとること」がテーマの本ですが、自分がまだ20代ということもあり、肌感覚として何が求められているのかピンと来ていませんでした。
ジェロントロジーは、「年をとること」について、生物学・社会学・心理学など多面的な分野からのアプローチが特徴の分野のため、「これさえやればOK」というようなわかりやすいまとめ方はしにくいテーマです。
また、書籍制作の打ち合わせのなかで、SAMさんご自身は「ジェロントロジーは、ポジティブに年をとるために必要な学問だ」というお話をされていましたが、「ポジティブ」に含まれる微妙なニュアンスみたいなものが汲み取れていないような歯がゆさもありました。
そんなある日のこと、長野に住む母と電話で話す機会がありました。母は50代後半、ちょうどSAMさん世代です。普段は照れくささもあり、仕事の話はしないのですが、何かヒントがあるかもと思い切って「こんな企画があるんだけど、どう思う?」と聞いてみました。
すると、母は「年をとると、切ないことばっかり。だからちょっとでも嫌なことを忘れたい。」というようなことを話していました。
そうか。「切ない」のか。
たしかに、今まで当たり前にできていたことができなくなったり、意志とは関係なく見た目が変わってしまったり、ということは「切ない」のかもしれない。
もちろん母の話だけを参考にしているわけではありませんが、なんとなくこの辺りから目指すべき方向がクリアに見えてきました。
いつまでも動ける心と体をつくるために、「最低限必要な情報」はきちんと伝える。
でも、情報だけなら誰にでも伝えられる。
SAMさんと、SAMさんのダンスにしかない、人を魅了する力。
日頃、嫌なこと、切ないことがあっても、SAMさんを見ている時だけは忘れられる。
情報だけでなく、そんな感情が共有できる本になればいいな、と思って編集を進めました。
いちばん初めに届いた感想
いよいよ4/1に書籍が発売し、少しずつ感想が弊社に届き始めました。いちばん初めに届いた感想の一部をご紹介させてください。
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(56~60歳/女性)
あっという間に読破しました。どんどん引きずり込まれていく感じです。
58歳を目前にして、肥満体だし脂肪肝だし、体は固いし…いいことないなぁ、と思っていたので、目の前が明るくなりました。
食事をはじめ、日常生活を楽しみながら、本に書いてあったことを、実践します。
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「こんな風に読んでもらえたら嬉しいな」と思っていたような感想をいただけて、思わず胸が熱くなりました。
状況がぴったり当てはまりすぎて、「もしや、これは母が送ったのでは」と思うくらい。
届けたい人に届いた。
まだまだプロモーションなど、やらなくてはいけないことはたくさんありますが、「やるべきことはやったぞ」という気持ちになりました。
年をとって嫌なこと、切ないことが多いな、という人はぜひ、この本でSAMさんの世界観に浸ってみてください。
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小山
ダンス&ボーカルグループ、TRFのSAMさんの本です!