インターネットの時代。「斜陽産業」と思われがちな、出版業界ですが、2023年の人気就職企業ランキングでは、TOP10のうち4社が出版社でした。

業界イメージに関わらず、「IP」「デジタル」「グローバル」による事業展開で、挑戦と成長を続ける出版社が就職先に選ばれ続けています。出版社の大きな強みである、コンテンツの企画、そして制作力。その背景には、出版社ならではの「編集力」があります。

クロスメディアグループ代表の小早川は、編集者の持つスキルを応用することで、人、組織、そして社会を再表現できると考えています。

先日、小早川が東京成徳大学の板生教授に招かれ、業界をリードする出版社の共通点と、これからの出版社の役割についてお話する機会をいただきました。今回はその内容を一部抜粋し、ご紹介します。


伸び続けている出版社には3つの特徴がある

いきなりですが、出版業界に対して、皆さんはどのようなイメージをもっていますか?

「本を読む人が減っていて、今は人気がない」「デジタル化で市場が縮小している」「書店がなくなったから、衰退産業なんじゃないか」など、色々あると思います。

先日公表された就職人気企業ランキングを見ると、人気企業10のうち、4社が出版社でした。さらに言えば、トップ3のうち2社が出版社です。ITやデジタルが人気というイメージだと思いますが、出版社が10位のうち、4社も入っています。

これを見たときに、ふと自分の中で「進化系出版社」というワードが浮かんできました。

業界のピーク時に比べて、6割に市場規模が減っているにもかかわらず、上位ランキングにはいっている出版社があります。たとえば、ここ数年で講談社と集英社とKADOKAWAは、過去最高の業績を出しています。私はこれらの出版社を「進化系出版社」と捉えチェックしていますが、IP事業、デジタル化、グローバルの3つの特徴が見えてきました。


著作権をビジネスにするIP事業

IPは、知的財産です。Intellectual Propertyの略で、著作権や特許権のことを指します。今伸びている出版社は、このIPをうまく活用しています。漫画を例に挙げると、漫画として販売したものを次はアニメーションにし、さらにテレビ、オンライン、映画にして、そのグッズを作るなど、一つのものを、多角的に収益化・ビジネス化していることが伺えます。

例えば、「鬼滅の刃」がコミックで売れて、ジャンプで連載し、その次にテレビ放送し、オンライン、その後映画で大ヒットになりました。グッズもたくさん売れています。

知的財産権を多方面に利用し、売り上げを伸ばすというビジネスを、「進化系出版社」は積極的に行っています。


テクノロジーの波に抗わず、デジタル化を進める

紙の書籍や雑誌は減っていますが、デジタル書籍は非常に伸びています。

同じものを読むにしても、紙と電子だとそれぞれの利便性や機能的な価値、感情的な価値は違います。個々人の好みの問題や世代間の違いもありますが、電子の方が「かさばらない」「文字の大きさを調節できる」「読みたいと思ったときにすぐに購入できる」など、その利便性に目を向ける人が増えています。

「進化系出版社」も、デジタル化の波に乗って、AmazonのKindleをはじめ、デジタルでのコンテンツ販売を行っています。

テクノロジーに抗う会社はまだまだ少なくありません。もちろん、それぞれの価値観で事業を行うことは大事ですが、時代のトレンドや技術のトレンドに適応させることは会社を成長させるために必須です。「進化系出版社」の成長が、テクノロジーの導入の必要性を顕著に表しているように思います。


人口が増え続ける世界の市場に目を向ける

日本だけでみると、出版市場は縮小傾向にありますが、グローバルという規模でみれば、着実に成長しています。日本の人口は減少していますが、世界の人口はいまも増え続けているからです。

「進化系出版社」のKADOKAWAは、海外向けのライトノベルが非常に伸びています。2年前に比べて20%アップの売上です。

海外からの日本のマンガやアニメなど、ファンは増えていますよね。特にフランスでは、日本のアニメやライトノベルがとても人気といわれています。フェスやイベントも頻繁にやっていて、街でコスプレをしている人たちの姿も多く見られます。海外に日本の出版コンテンツが普及していることを実感しますよね。


業界は縮小していても、成長し続ける企業がある

進化系出版社には、IP事業・デジタル・グローバルという3つの特徴があり、市場が縮小していても、発想を変えたり、新しいことにチャレンジすることで、伸びていくことが分かるかと思います。

皆さんも就職活動の中で、「この業界は縮小してるから、やめておこう」という考えではなく、縮小している業界の中でも伸びている会社を見つけることは非常に大事かと思います。例えば、IT業界は伸びていますが、その分新規参入もたくさんあるので、需要も供給も多いので、就職が難しかったり、良いと思った企業にはいっても、競争が激しく、仕事もハードだということがあります。

出版社は縮小しているといわれていますが、「進化系出版社」として成長を続ける会社もたくさんあります。また、アパレル業界も出版業界と同じように、日本では縮小していますが、ユニクロはグローバル展開やデジタル化を進め、日本では業界1位、世界では3位という企業になっています。

業界の成長率も大事ですが、会社単位で成長率を分析することも大事です。


新しいものが生まれにくい時代に必要な「再表現」というスキル

たとえ業界が縮小していても、挑戦する会社は成長し続ける、ということをお伝えできたかと思います。

人も企業も社会も成長のためには、新しい発想や「イノベーション」が必要です。しかし、新しいものを生むというのは、簡単なことではりません。特に日本のような成熟した国では、いろんなものが既に出回っており、新しいものをつくるのは難しいです。

そこで私は「再表現」という概念に目を向けたいと思います。

ここで言う「再表現」とは、「今までの表現を、時代に合わせて表現し直す」ということです。個人も組織も企業も、その時々の自分自身や組織のレベルや目標に合わせて、表現し直すということが必要だと思っています。

人は誰でも成長するごとに、話す言葉だったり、着ている服だったり、行動の仕方だったり変わっていきますよね。環境や時代の変化に合わせて表現を変えますよね。それが「再表現」であり、これからの世の中に必要なスキルです。

「再表現」する上で重要なのが、「編集力」と「デザイン」です。他人の頭の中を言語化するというのが編集力であり、一方、デザインは、他人の頭の中を可視化することがデザインと定義しています。

これらの能力を身につけると、非常に貴重な人材になれるはずです。自分自身を「再表現」することができると、他人を「再表現」することができます。逆もしかりです。そして、人だけではなく、事業や組織、社会をも価値あるものにできる能力です。

当社のビジョンは「メディアを通じて人と企業の成長に寄与する事業を行い、社会に新しい価値を提供する」です。私たちの強みとする編集力によって、人と企業の「再表現」をサポートし、持続的に成長できる社会をつくっていく。

私たちクロスメディアグループも出版業界を盛り上げていける「進化系出版社」を目指し、日々挑戦していきたいと思います。

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