こんにちは、『1日5分で「自己肯定感」と「行動力」を高める できたこと手帳』編集担当の岡田です。このたび、7年ぶりに『できたこと手帳』がリニューアルされました。
「なぜ、いま改訂?」と思われるかもしれません。この改訂はなんとなく行ったことではありません。今回は、その裏側をお話します。
『できたこと手帳』ってどんな本?
『できたこと手帳』は、毎日5分、「できたこと」を書き出すだけで、自分自身の可能性に気づき、行動を変えられる手帳です。
「仕事も子育ても、毎日必死なのに、全然成長している気がしない……」
「周りの人と比べて、自分はダメな人間なんじゃないか……」
そんな風に、モヤモヤした気持ちを抱えている方にこそ、この手帳はおすすめです。
この手帳のポイントは、ネガティブな気持ちにとらわれず、「自分がすでに成し遂げていること」に目を向けること。そうすることで、自らの強みや目指したい姿に気づき、自然と行動が変わっていきます。
この「できたこと」にフォーカスする、という基本的な考え方は、7年前から変わっていません。だからこそ、シリーズ累計5万部を超えるロングセラーとして、多くの人に愛されてきたんです。
私が本書をはじめて知ったとき、驚いたことがありました。それは、行動科学や認知心理学、1万5千人の行動データにもとづいて開発したメソッドを、きわめてシンプルで使いやすい手帳の形に落とし込んでいることです。高度な理論とエビデンスがベースにあるのです。開発者の永谷研一さんは、ITシステムの開発者でもあり、手帳も同じ発想で作られているのを感じます。
7年の時を経て、生まれ変わった『できたこと手帳』
では、なぜいま改訂するのでしょうか。
それは、永谷さんの研究が進んだためです。永谷さんは「行動が定着するにはどうすればいいのか?」を探り続けてきました。セミナーを受けたり本を読んだりすると、その場だけ気持ちが高まっても、その後は続かないことが少なくありません。むしろ、それが普通です。
永谷さんは旧版を出した後、行動を定着させるために「感情」がもたらす効果をより深く認識し、感情を活かす方法を発見したといいます。
その成果をぜひ本に反映しよう、ということで、リニューアルが決まりました。
まず、内容の面では、解説パートやコラムをアップデートしたり、自分の「できたこと」や今の感情を見つめるための問いかけをブラッシュアップさせたりしています。
さらに、見た目の部分もガラリと変わりました。
タイトル、表紙、フォント、口調……すべて見直し、より多くの人に『できたこと手帳』の魅力が伝わるように生まれ変わりました。
エメラルドグリーンの表紙を選んだ理由
特にこだわったのは、表紙の色です。
7年前の『できたこと手帳』は、やさしい水色の表紙で、幅広い層に親しみやすく、やわらかい印象を与えていました。
しかし、7年間のデータ分析から、実はこの手帳を一番リピートしているのは、子育て・介護・医療・教育など、誰かを支える仕事をしている方々だということがわかりました。
そこで私は考えました。「今の表紙では、そんな方々に、この手帳の魅力が十分に伝わっているだろうか?」
「やわらかさ」も大切ですが、「信頼感」も同時に伝えたい。
そこで、著者である永谷さんやデザイナーの安賀裕子さんと共に、何度も話し合いを重ね、今の形にたどり着きました。
私は書店員出身なこともあり、書店に並んだ時の姿をシミュレーションしながら作ることを重視しています。そのため、複数の書店に足を運びつつ、書店に置かれた時の印象や、どのコーナーに置かれるのかも考えながら、表紙のデザインを検討しました。
最終的に、表紙の色には、落ち着いて信頼感のある「青」と、明るく優しい「緑」を組み合わせた「エメラルドグリーン」を採用しました。
忙しい毎日を送る中で、しんどさを感じている方にも、この色が少しでも癒しを与え、前向きな気持ちになれるように……。そんな願いを込めています。
改訂という仕事の魅力
いま、完成した手帳を見ていると、書店を回ったり、数十個のキャッチコピーの候補をつくったり、あれだけ思考錯誤して作ったことが夢だったかのように思えてしまいます。
ですが、表紙の色一つとっても、さまざまなリサーチに基づいた「選択」の積み重ねで生まれたものなのです。
時代の変化を敏感に感じ取り、読者の声を丁寧に聞き取る。そして、この本が書店に並び、読者の生活の中に溶け込む姿を想像しながら、本の形を組み直していく。
そこに、改訂という仕事の奥深さと、面白さがあるように感じます。
この『できたこと手帳』を通して、多くの方が自分の可能性に気づき、行動を変えていけることを願っています。
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岡田
タイトル、表紙、フォント、口調……すべて見直しました!