こんにちは、『渋沢栄一が転生したらアラサー派遣OLだった件』担当編集の小山です。今回はこの本が生まれるまでの裏側を少しだけお話させていただきます。

時は、今から3年半前の2021年7月。編集者になりたてだった私は、こんなことを考えておりました。
「転生モノ✕ビジネス書」という新しい組み合わせがあれば面白いのでは? ということです。

当時、マンガのジャンルで、異世界転生モノの勢いを感じていた私は、これまでになかった挑戦としてこの企画を進めることにしました。

問題は、誰を転生させるか?織田信長、徳川家康、松下幸之助……さまざまな候補を考える中で目に入ったのが、渋沢栄一の『論語と算盤』でした。

初めて読んだ『論語と算盤』は、現代のビジネスにも通じる内容であふれていて、「この人を現代に転生させたらどんな物語になるだろう?」とワクワクしたのを覚えています。

その後、日本アカデミー優秀脚本賞を受賞された脚本家・三浦有為子さんに執筆をお願いすることができました。三浦さんの手にかかると、ぼんやりしていた「渋沢栄一の転生」というアイデアが、リアルで魅力的な物語に生まれ変わりました。

日本の発展ぶりにはしゃぐ渋沢、福沢諭吉のお札を見て驚愕する渋沢、そして令和の働く人々の境遇に怒りを覚える渋沢。どのシーンもまるで本当に彼がそこにいるようで、原稿を拝読するたびに引き込まれました。時々くすっと笑える描写も魅力的で、渋沢栄一のお札を見かけるたびにそのシーンを思い出してしまいます。

そしてラストには、仕事も人生もしんどい令和の私たちが、明日を生き抜く勇気をもらえるメッセージが詰まっています。校正のため何度も読み返しましたが、そのたびに胸が熱くなる作品です。

ちょっと変わった作品ですが、読むと元気になれる、極上のビジネスエンターテイメントとして仕上がりました。渋沢栄一の哲学や令和の働き方への洞察を、笑いと感動を交えて楽しめる一冊です。ぜひ手に取ってみてください!

 

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