はじめまして。『ポルトガル人のほどよい生きかた』の編集を担当した常田です。 突然ですが、みなさんはポルトガルという国を知っていますか?



ユーラシア大陸の最西端に位置するポルトガル。大航海時代の面影を残す美しい街並みや、「アズレージョ」と呼ばれる青と白のタイル装飾が印象的な国です。サッカーやエッグタルト、イワシ料理など、実は日本人に馴染み深いものもたくさんあります。
正直にお話しすると、私自身も以前はこの国についてほとんど知りませんでした。 きっかけは、お世話になっている旅好きの先輩から「ポルトガルはいい国だよ」と勧められたこと。そんな何気ないひと言に背中を押され、社会人3年目の夏、私はポルトガルへ旅立ちました。
私は旅行前、その国に関する本や現地に暮らす方の記事を読むことを習慣にしています。そんな習慣のなかで偶然出会ったのが、本書の著者乾さんの文章でした。そしてこの出会いこそが本書のはじまりです。
乾さんの文章を読んで、まず心を動かされたのは、その誠実なまなざしでした。一つひとつの出来事や人と丁寧に向き合う姿勢が、言葉の端々から自然と伝わってきたのです。さらにそこに唯一無二のストーリーと美しく切り取られた写真が重なり、気づけば「ぜひ現地でお話を伺えませんか」とメールを送っていました。
東京から飛行機を乗り継ぎ、はるばるたどり着いたポルトガル。そこで私を待っていたのは、日本とは異なるゆったりとした時間の流れでした。 街には過度な広告もなく、 足早に行き交う人の姿はほとんどありません。抜けるような青空と海のコントラストを眺めながらワインを飲み、焼きたてのエッグタルトを頬張り、ときにはトゥクトゥクに揺られながら木陰の道を抜けていく。そんな穏やかで心地よい時間が、ポルトガルの日常には自然に流れていました。


どれも決して特別な出来事ではありません。けれど、その何気ない時間の積み重ねが、今でも鮮やかな情景として心に残っています。そしてその旅から数年の時を経て、 さまざまなご縁が重なりこの本が生まれました。
本を企画した当初は、ポルトガルで活躍する先進的なスタートアップ企業へのインタビュー集や事例集を考えていました。しかし、改めて旅の記憶を振り返ったとき、乾さんと私の心に強く残っていたのは企業やビジネスではなく、そこで暮らす人々の生き方でした。そこで本書では、その背景にあるポルトガル人の価値観や国民性に焦点を当てることにしました。彼らの12の習慣を通して、ポルトガル人らしいライフスタイルや人生観を紐解いていきます。
忙しい毎日を送っている方。 これからの人生について考えている方。 そして今、少し立ち止まっている方。ポルトガルの人々が大切にしている「ほどよい生きかた」が、みなさんにとって肩の力を少し抜き自分らしく生きるためのヒントになれば、とても嬉しいです。
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常田
肩の力を少し抜き自分らしく生きるためのヒントになればとても嬉しいです