人事や経理といったバックオフィスには「事務作業をコツコツとミスなくやる仕事」といったイメージがありますが、それに加え、クロスメディアグループのバックオフィスは、とてもエキサイティングな現場です。
ベンチャー企業では、成長に合わせて日々さまざまな変化が起こります。さらにクロスメディアにはたくさんの事業部があり、状況に合わせて常に新しい仕組みを整えていかなければいけません。そうした「変化の波」を楽しんで乗りこなし、経営と現場を繋ぐ役割を果たす。それが、「ゼロイチ」で新しい価値を生み出していくメンバーのサポートにもなります。
どの企業も事業の目的は、新しい価値を生み出し、社会に貢献することです。そのために、社員にはさまざまなビジネススキルや力が求められます。
しかし、クロスメディアのバックオフィスチームリーダーである大森は、「まずは成長の土台が必要。スキルや力はその上に積み重なるもの」だと言います。バックオフィスには、その土台を築くという最大の役割もありました。
目次
企業経営に重要なことすべてに絡む仕事
私は、昔からビジネス書が好きだったこともあり、ずっと出版業界で働いています。前職ではビジネス書の出版社で営業をしていました。前職は社員数が3000人以上の会社で、それだけ大きな規模だと、どうしても個人のやれることが制限されます。もちろん、大企業で働くことにもやりがいはありましたが、もっと自由に仕事ができる環境で、会社を成長させるための一員として働きたいと思っていました。
そんな時に、クロスメディアに出会いました。当時、すでに出版業界は右肩下がりでした。クロスメディアはそれに負けずに出版以外の事業にも積極的に挑戦していて、その姿勢が面白そうだなと感じたんです。
クロスメディアに入社して、前職と同じ営業を2年間担当した後、バックオフィスに移ることになりました。この異動は自分にとってはまさに青天の霹靂でしたが、社長に適性を見てもらってのことだったので、抵抗なくやってみようと考えることができました。もうすぐ、6年目を迎えるところです。
当初、バックオフィスの仕事について、「事務作業をコツコツとミスなくやる」といったイメージを持っていたんですが、実際にやってみると、もっと奥が深く、責任の大きな仕事だとわかりました。
ひと言でいうと、経営において重要なことすべてに絡むということ。経営とは何かを考えていくと、最終的には「人」と「お金」に行き着きます。バックオフィスでは、人事や採用、お金の管理などに直接関わります。今では、自分たちの役割を「経営者と事業部をつなぐ結節点」だと考えています。
新しいトライに必要なこと
バックオフィスの業務は定型的なものが多く、コツコツやることが好きな人も多いと思います。それを否定するつもりは全くありませんが、クロスメディアのようなベンチャー企業で働く上では、会社の成長や変化を楽しめるマインドが必要です。
グループ内には事業部が複数あり、それぞれが日々成長を続けています。そのぶん変化も激しく、必要に応じて仕組みを変えたり、作ったりしなければなりません。毎日同じ仕事を繰り返していればいいということはなく、いろんな変化の”波”を乗りこなす、とてもエキサイティングな仕事だと思っています。
本来、人は変化を嫌がるものです。なるべく同じ仕事を続けたいと考えがちですが、それだと停滞してしまう。前に進むための挑戦を楽しんでいくことが大事なのではないでしょうか。
会社で昨日「これをやろう」と決めたことが、今日には「やっぱりこっちだ」となることもあります。それに対して、「なんだ、またやり直しか」と考えるのではなく、「成功のためのトライアンドエラー」と捉えて前向きに頑張れる人が、当社のバックオフィスの仕事に向いていると思います。
変化に合わせるということは、新しいことにトライするということです。前例はなく、誰も正解をもっていません。そこで必要なのは、「目的は何か」をいちばんに考えることです。会社全体の目的、部署やチームの目的、個人の目的。経営者や現場のメンバーの考えの裏側にある「WHY」を汲み取って、仕事に落とし込んでいます。
マルチな対応力を生み出す3つのポイント
クロスメディアは事業部が多く、変化も激しい。そのため、バックオフィスの業務は多岐に渡り、常にマルチタスクが求められます。すべてをスピーディーにミスなく進めていくために、私が意識していることは大きく3つあります。
まずは時間管理です。その日1日のタスクを30分単位で決めて、一つ一つを集中して取り組めるようにしています。ポイントは、予めバッファを入れておくことです。隙間なく予定を組んでしまうと、部下からの相談や突発的な出来事に対応することができません。時間に余裕をもつことは、業務を円滑に進める上でとても大事です。
それから、チーム内でのきめ細かい報連相も大事です。ひと口にバックオフィスといっても、経理や人事など、さまざまな役割の人たちが集まっています。それぞれが専門性をもって仕事をする中で、リーダーとしてはチーム全体の動きを把握し、方向性を整えていかなければいけません。そのために、メンバーとの情報共有が欠かせません。
そして、気持ちを切り替えること。どの部署でも同じですが、楽しい仕事もあれば、やりたくない仕事もあります。ときには、誰かに言いたくないことを言わなければいけないときもあります。そうしたとき、ネガティブな気持ちをズルズルと引きずっていると、やはり生産性は落ちてきます。だからこそ、意識と集中を瞬時に変えるように心掛けています。それから、自分の趣味をもっておくことも大事ですね。私はゴルフで気分をリフレッシュしています。
「ゼロイチ」の活動をサポートする環境づくり
当社の主軸事業はビジネス書の出版です。私は、本は世の中に価値を伝えるために、一番有効なメディアだと思っています。私自身もそうですが、本を読むことで深い気づきや学びを得ることができます。
本が売れるということは、出版社や著者に利益があるだけではなく、その本を手に取り、人生に何かしらのポジティブな影響を受ける読者が、それだけ多くいるということ。出版営業をしていたときには、これは社会貢献なのだという使命感を強く感じていました。もちろんいまも、クロスメディアの本を人生や仕事に活かす方が増えることを願っています。
クロスメディアでは、ほかにも法人向けのマーケティング支援事業、ビジネスパーソンに向けた健康事業を行っています。これらも、顧客にポジティブな影響を与えるという意味で、目的は同じです。各事業部が顧客に貢献することで、会社全体として社会に大きな価値を生んでいくことができます。
各事業部は、ベンチャーマインドをもって次々に新しいことにチャレンジし、「ゼロイチ」で価値を生みだしています。バックオフィスは間接的な働きにはなりますが、現場スタッフが顧客に価値を与えられるような仕事ができるよう、サポートすることがミッションです。
たとえば、全社会議のフォーマットを作成したり、議事録やアジェンダを作成し、決定事項をいつまでに実行するべきかの仕組みを作ったり。システム面でも、新しいソフトやサービスの導入と運用など、さまざまな取り組みを行っています。売り上げの収支が一目でわかるシートなど、自分でゼロから作ることもあります。
それぞれの事業部が役割をしっかりと果たせるような環境をつくる。それが私たちの仕事だと捉えています。
経営者の言葉をメンバー個人に合わせて伝える
ベンチャー企業の経営者は、目の前の売上をつくることとともに、中長期的なビジョンをもっています。一方で、事業部は目の前の課題に取り組まなければならず、経営者の視点を理解できないことがあります。それによって、トップと現場の間にはどうしてもギャップが生まれます。
その間に立つ立場として、何よりも大切にしているのは、両者の意見をしっかりと聴くことです。現場に偏りすぎるのも、経営のほうを向きすぎるのも良くありません。基本的には経営者の意向を尊重して仕事を進めますが、客観的な視点で、経営者に意見することが必要なときもあります。そのバランスが非常に大事だと思っています。
また、経営者のメッセージや会社が社員に何を求めているのかを、適切な言葉で現場に伝えることがとても重要です。いちばんよくないのは、経営者に言われたことをそのまま伝えることです。自分なりの言葉で、相手に合わせて伝えるようにしています。
機械はどんなに改良しても生産性は限られますが、人間は言葉をかけたり心に訴えたりすることで、何倍もの大きな成果を上げることができます。やる気の出るポイントや、モチベーションの源は人それぞれです。個別に話すときは、相手の好きなことや興味があることに結びつけて伝えるようにしています。
たとえば、新しいことを学ぶのが好きな人には、勉強になるように話をするし、ミスを減らしたいと思う人には、気を付けるべきことについて話をする。一方で、全社に向けて一斉に話すときは、全員で「目的は何か」を明確に共有できるような伝え方を意識しています。
企業が土台に持つべきカルチャ―
社内では、いつもコミュニケーションがスムーズというわけではありません。部署間や同じ部署内で社員同士で意見が割れることはあります。でも、意見の対立は必ずしも悪いことではありません。何かを前進させようとしているからこそ、議論が生まれる。進化しようと思わなければ、毎日同じことを続ければいいだけで、議論も生まれません。私は意見の対立を、ブレークスルーのヒントや、会社が成長するきっかけとして、ポジティブに捉えています。
ただ、もちろん、お互いに言いたいことを言うだけだったり、罵り合ったりしていては、成長には繋がりません。議論を糧に新しいものを生み出す、建設的な議論が必要です。
私は、そうしたコミュニケーションは「敬意」と「規律」のある組織にしかできないことだと思っています。
会社とは、友達が集まるサークル活動とは違い、ビジネスを目的に集まる場所です。価値観の違う人々が集まることは当たり前、意見が衝突することも当たり前です。そのときにお互いを否定するのではなく、相手を尊重し、「敬意」を持って接することができれば、成長の糧にすることができます。
ではどうすれば「敬意」のある組織づくりができるのか。個々人の意識も大切ですが、組織としてのルールを整えることが必要だと考えています。みんながルールを守ることで、「規律」が生まれ、「敬意」のあるコミュニケーションができるようになる。これが成長のための土台であり、専門的なスキルやマネジメント力、ビジネスモデルを生み出す力などは、その上に積み重ねられていくものだと思います。社内で敬意をもてないと、お客様に対してでも同じことはできないと考えています。
メンバーそれそれが持つ個性や強みを生かし、お互いに変化しながら成長していく。そこから会社全体で新しい価値を生み出し、社会に貢献する。そのための土台作りが、私たちバックオフィスの最大の役割です。
大森三規雄(おおもり・みきお)
クロスメディアグループ株式会社 執行役員 経理財務室室長
大学卒業後、書店、出版社勤務を経て2016年にクロスメディア・パブリッシングに入社。出版事業部マネジャーを経て、6年前に管理部門へ異動し、経理・人事総務を管掌している。自らが出版事業に携わった経験を生かし、社員が事業に集中できるバックオフィスの構築を行っている。趣味はゴルフ、スノーボード、散歩。
【クロスメディアグループについて】
クロスメディアグループは、「出版」「マーケティング」「デジタル」「アクティブヘルス」という4つのメディア事業を行う創業19年のベンチャー企業。
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