経理財務室は、社内のお金に関する全般の業務を担当しています。会社経営に必要不可欠な責任のある仕事。正確性やスケジュール管理能力を発揮することが、社内全体からの信頼につながります。さらに、ベンチャー企業のクロスメディアでは、次々に新規事業が始まるため、経理として事業の流れを把握し数字をもってスピード感のある提案をする役割も求められます。

同部署で働く下井田詠美は、以前編集部に所属していました。編集者として邁進している最中、新たに配属されたのが経理財務室。編集から経理、まったく異なる職種で一から仕事を覚え、懸命に経理のスキルを身に付けてきた2年間。
仕事を通して自身が成長することで会社の成長にも貢献したいと考える彼女に、バックオフィスから会社全体を支える経理の役割について詳しく聞きました。

 


編集から経理へ。ゼロからのスタート

経理財務室に配属される前は、編集部に所属していました。書籍の制作をサポートする編集管理という仕事を約2年、書籍の編集を約1年半経験し、経理財務室への異動が決まりました。

編集の仕事ももう少し極めたいけど、他のキャリアを考えてもいいかも。そう思っていたときに会社から異動を持ちかけられました。こんなチャンスはめったにない。自分にできるかどうか不安はあったものの、会社から適性と強みを見込まれたのだとポジティブにとらえ、経理の道へ進むことを決意しました。

こうして始まった経理での仕事は、まさにゼロからのスタートでした。
とにかく本を読み、わからないことはネットで調べる。顧問の先生にも随分お世話になりました。経理業務の全体像や売掛金の性質、経費精算の注意点など、習得すべきことが大量で、毎日必死だったことを覚えています。
一番大変だったのは、働きながら簿記の勉強をしていた頃です。会社で行った取引を会計データにすべて入力する仕訳の作業は、専門知識がないと難しいため、懸命に学びました。

 

経理と編集の仕事とは全く違うように思いますが、編集での経験は経理の仕事で活かせることもあります。
例を挙げると資料作成の業務です。不特定多数の人に情報をわかりやすく伝えるスキルを編集時代に身に付けておいてよかったと感じます。

 

大企業では味わえない、クロスメディアでの経理の仕事

経理の仕事は、一般的なイメージ通り「お金に関する仕事」です。具体的には買掛金の支払い、売掛請求書の作成、売掛金の入金管理、経費精算、現預金の管理、スタッフへの仮払い、納税、会計ソフトの入力や決算書の作成などがあります。それだけでなく、経営者や事業部に必要なデータを作成することもあります。

会計には大きく分けて、ステークホルダーなど外部に公開するための財務会計と、経営者が自社の経営管理をするための管理会計があります。私は主に財務会計を担当しています。財務会計は全ての会社で共通した会計ルールがあるので、逸脱しないよう会計データを作成する必要があります。ルールの勉強が大変なポイントだと感じています。

他の会社で経理を経験したことはないですが、大企業の中には「売掛金チーム」「買掛金チーム」「月次決算チーム」のように担当が分かれているところもあると聞きます。一方、クロスメディアでは1人で複数の業務を担当します。経理全般の仕事に携わることができ、広い範囲の知識や経験が身に付くことが強みではないでしょうか。

また、クロスメディアの経理には「単行本調整勘定」や「返品調整引当金」、「印税」など、出版業界特有の会計処理があります。業界ならではの知識やスキルを習得できることもメリットかと思います。

さらにクロスメディアでは出版事業のほか、フィットネス事業やマーケティング事業も行っています。出版会計に限らず、複数の業種の会計処理ができることもクロスメディアの経理として働く魅力です。

 

「ちょっと寄り添う」コミュニケーション

仕事をする上で、私が大切にしているスキルは2つあります。

1つは正確性。お金と数字を扱う部署なので、正確に行うことを大切にしています。ただ、意識だけでミスを防ぐことは難しいので、成果物は必ず自分でダブルチェックしています。どうしても不安なときは、顧問の先生や上司にチェックをお願いすることもあります。

2つ目はスケジュール管理能力。経理では毎月決まった業務や締め切りがあります。例えば税金関係。毎月10日までに納税する必要がありますが、期限を過ぎると延滞金が発生し、会社に損失を与えてしまいます。経理が月次決算をスピーディーに行えれば、経営者はタイムリーに経営判断ができるので、締め切りから逆算して早めに手をつけるよう心がけています。幸い経理は毎月のルーティーン業務が多いので、作業時間の想定は比較的容易にできます。

あとは意外に思われるかもしれませんが、コミュニケーション能力が必要です。
経理では会社内のたくさんのデータを集めなければなりません。そのためには社員の皆さんに協力してもらうことが必要不可欠です。単にお願いするだけで動いてもらうのはなかなか難しいので、納得してもらえるように「なぜこれをしないといけないのか」という理由もあわせて説明するよう心がけています。

どうしても提出を忘れてしまう方には「何か分からないことはありますか」「今どんな感じですか」と相手の状況を聞くようにしています。こちらの都合ばかり押し付けてしまうと、反発されるのは当然なので、「ちょっと寄り添う」ようなイメージです。

社員さんにお願いする機会が多いので、「この人のお願いだったら聞こうかな」と思われるようなコミュニケーションを日頃から取っておくのが理想だと思っています。
経理の仕事は、編集や営業などと違って「〇万部売れた」、「目標をクリアした」といった明確な成果を得られる華やかな部署ではありません。やって当たり前の仕事でもあるので、モチベーションを保つのが難しいときもあります。ですが、相手のしてほしいことを汲み取り、喜んでいただけた時に私も喜びを感じます。社員の皆さんからいただく「ありがとう」の言葉が私のモチベーションになっています。

仕事を通じて、個人と会社の成長を

クロスメディアでは今、新規の事業が次々に始まっており、経理としてもそれに対応するようにしています。必要なのは、今何が動いていて、どういう業務がされているのかをキャッチアップしておくこと。「自分には関係ないからいいや」と思うのではなく、自分から情報を取りに行く姿勢を持っておくことが大切です。
上司からは「仕事を通じて学び続けて自ら成長するとともに、会社を成長させてほしい」と言われています。その第一歩として、まず簿記2級の資格取得にチャレンジしています。消費税や法人税の勉強も進めていきたいです。

社長は「事業部が血液だとしたら経理は心臓」だとよく言っています。経営者は、経理がまとめたデータを見て経営判断をします。社内の数字をまとめて売り上げや利益を可視化する私の業務が大きく影響するため、経営の一翼を担っているという自覚を持って仕事に臨んでいます。データをまとめるだけでなく、気づいたことがあれば、数字をもとに自分の考えを経営陣に伝えるよう心がけています。

バックオフィスから第一線で働く皆さんを見ていると、まだ世の中にない企画や新しい事業を次々に形にしていく行動力が素晴らしいと感じています。皆さんに何か困ったことがあった時はいつでも支えられる存在でありたいです。組織のディフェンダーとして、会社全体に頼られる部署になっていくことが目標です。

【プロフィール】

クロスメディアグループ株式会社 経理財務室

大学卒業後、信用金庫、出版社勤務を経て2019年にクロスディア・パブリッシングに入社。編集管理にてパートナー企業や印刷所とのやりとり、納期管理などを行う。編集者としては書籍やパンフレットの制作に携わる。2022年10月に経理財務室へ。

趣味は映画・アニメ・YouTube鑑賞、ペットのフェレットと遊ぶこと。

 

▼採用情報
クロスメディアグループでは、共に働く仲間を募集しています。詳しくは当社の採用サイトをご覧ください。

クロスメディアグループ採用サイト