クロスメディアはベンチャー企業であり、出版社でもあります。成長過程にあるベンチャー企業では、日々新しい取り組みが生まれます。そこに求められるのは、さまざまな業務に柔軟に対応できるマルチスキルです。一方で、出版社の仕事は、物事の本質を見極め、価値あるコンテンツを世の中に生み出すこと。そこに必要なのは、高い視座と深い思考です。
今回ご紹介するのは、プロジェクトマネジメント室のお仕事。たくさんのプロジェクトを、確実かつ迅速に進行させることで「ベンチャー×出版」の成長を支えています。同部署の浜田佳歩は、スピード感を持った仕事と、相手が求めるものを考えることを大事にしています。質の異なる両面からの視点が、企業成長に高い推進力をもたらす源泉になっています。
仕事の「種類」が多い部署
私は、プロジェクトマネジメント室という部署に所属しています。毎日の仕事を分類すると、クライアントと一緒に出版させていただく書籍に関することが6割、それ以外のさまざまなプロジェクトに携わることが4割というイメージです。出版に関する部分では、まずクライアントへの提案内容を考えて資料を作り、プレゼンをします。出版が決まれば編集部にバトンタッチし、完成した後のプロモーションを担当します。
それ以外の4割では、本当に幅広いプロジェクトに携わっています。具体的には、クロスメディアで出した書籍の読者アンケート、新しい書籍シリーズ、1年ほどかけて最近完成した自社サイトのリニューアル、いまは地方企業の全国、世界展開を支援する「LOCAL GROWTH CONSORTIUM」というプロジェクト……挙げればキリがありません。
これらのプロジェクトの進行管理や、細かい事務作業を行っています。上長や先輩に「これをやって」と言われますが、その「これ」がとにかく広いイメージです。仕事の「量」というよりも、仕事の「種類」が多い。編集や営業といった特定の専門性を極める部署ではありませんが、さまざまな案件に関わることができて、とても面白く感じています。
マルチスキルとディープな思考を両立させる
さまざまなプロジェクトを確実に進める上では、マルチスキルが求められます。一方で、出版の企画を考えるためには、ディープな思考が必要です。これらを同時に進める上で必要なことは何かと考えると、スピード感を持った仕事と、相手が求めているものを考えることだと思います。
新しいプロジェクトでは、関わる人がとても多くなります。進行管理のためには、ヌケモレがないように、関係者との細かな報連相が大切です。
それに、プロジェクトでは自分で進める業務だけではなく、誰かにお願いすることも多くなります。また、まだ私一人で判断できることが少なく、基本的にはすべての仕事に誰かの確認が入ります。当然ですがそれらの相手も忙しくしているので、少しでも相手の負担にならないように、自分がやるべきところは早く終わらせるようにしています。
スピード感を出すために注意すべきことはたくさんあります。例えば、新しい仕事を始めるときは、社内にひな型やマニュアルがないかを確認するようにしています。メールの定型文や書類のフォーマットがあるのにイチからつくると、無駄な時間がかかってしまいます。
また、自分の仕事が間違った方向に向かっていないか、上長に報告しながら進めるようにしています。例えば、企業出版の企画を考えるときには、資料を完成させる前の発想段階で確認を取ります。ここでズレてしまうと、完成させても使い物にならず、結局やり直しになってそれだけ余計に時間がかかってしまいます。自分が作りたいと思う自己満足な資料を作るよりも、相手が欲しいものを考えることが大切だと思います。
「経験が浅いうちは、横着をせずにゼロから考えたほういい」という価値観もあると思いますが、人と関わる以上、スピードは大事です。そもそも、性格的に先延ばしにするのがあまり得意ではないのかもしれません。例えばアクションを促すメールが来たとき、すぐに対応できなくても何かしらリアクションだけは先にするようにしています。「このやり方で正しいか」と考えるとスピードが落ちてしまうことも多いので、あまり物怖じせず、とにかく進めることを第一優先に考えています。
ただ、敢えて曖昧さを残しておくことが必要なときもあります。例えば、確度の低いお客様への再提案や会社がフォーカスしていない事業は一旦優先順位を下げます。状況を見つつ、会社がフォーカスしている業務に先に手を付けます。
そうして人と関わる仕事はなるべくスピーディーに進めた上で、ディープな思考時間を使うようにしています。早く終わらせる仕事とじっくり考える仕事を区別して、それぞれに合った進め方を考えるのが、この仕事のコツなのかもしれません。
「ベンチャー出版社」だから経験できること
私がクロスメディアに入って、一年半が経ちます。以前働いていた会社もベンチャー企業で、クライアントの採用を支援する会社でした。業務内容の違いはありますが、一つ一つのプロジェクトを進行させるという面では、現在の業務と共通するところがあります。
前職と大きく変わった点は、人前に出る機会が増えたことです。お客様にご提案することもそうですし、会議やイベントの進行役を務めることは新しい経験になっています。書籍の企画やプロモーションといったスキルも、クロスメディアで新しく学んだものです。
私はもともと出版社に興味があり、クロスメディアを選びました。出版社からはいろいろな情報が発信されていて刺激があり、イメージしていた通り明るくて華やかな世界だと感じます。ただ、出版社は基本的に出版だけをしている会社だと思っていたので、クロスメディアがこんなにも新規事業に力を入れている会社だというのは意外でした。でも、そのお陰でほかの出版社では得られない経験もさせてもらっています。
クロスメディアは明るい人が揃っていて、年齢や性別も幅広く、カラフルな雰囲気です。全員の顔と名前が一致するくらいの人数であることも、みんなの距離が近い感じがして、働きやすいと感じています。
何より、ベンチャー企業ならではの自由度が高い環境にやりがいを感じます。任せられている業務の多くは新しい取り組みであり、縛られていると思うことや、歯車として働いている感覚はありません。複数のプロジェクトを同時に動かしていく中で、「こなしている」という感覚よりも、一つ終わるたびに「前に進んでいる」という達成感を得られます。これからも、会社の新しい挑戦の力になれればと思います。
それに出版社の一員として、本やメディアを通して発信された情報に救われる人がいると思うと嬉しいです。直接的でなく間接的であっても、自分がやっている仕事で結果的に会社と世の中に貢献できるよう、これからも頑張ります。